私の職場には聴覚障がいのある方がいて、
当たり前のように一緒に働いていますが、
友人に話すと割と珍しい経験なのかも、と思ったので記事にしました。
聴覚障がいがあって新卒で就職活動をされている学生さんにも
参考になればうれしいなと思います。
聴覚障がいとは
聴覚障がいとは、音声を聞き取り認識するまでの機能に何らかの障がいがあり
音が聞こえない、または聞こえづらい状態のことです。
音が聞こえない状態と全聾(ぜんろう)、
音が聞こえづらい状態を難聴といいます。
聴力によって障がいの程度を示す等級がわかれるのですが、
状況や聞こえ方は人それぞれです。
同じ等級でも補聴器をつければ健常者と変わりなく聞こえる方もいれば、
そうでない方もいます。
同じく難聴といわれる方でも、
感音性難聴、伝音声難聴、と区分がありますが、
体験談をメインに書きたいので詳細はここでは割愛します。
詳しく知りたいという方は、
聴覚障がい者の就労支援をしている団体のHPで
説明されているので見てみてください。
https://challenged.ahc-net.co.jp/library/choukakusyougai/
私の部署の聴覚障がい社員
私は会社の中でも管理部門で働いていて、
同じ部署の同じチーム(日頃一緒に仕事をする5~6名の単位)に
聴覚障がいのある社員がいます。
私も説明を受けて「へ~」と思ったので書いておくと、
企業には障がい者の法定雇用率というものが定められていて、
障がいのある方を一定数雇用することが国から求められています。
「障がい者」といっても手足の障がいや視覚障がいなど様々ですが、
聴覚障がいの方の割合が多いようです。
障がいの特性上、口頭でのスピーディな対応や電話対応が必要な
営業などの部署には配属が難しいため、
管理部門である私の部署に来ることになったとのこと。
聴覚障がいの方、以下Kさんと表記しますが(登場回数多いので、、)
その方は入社4年目の後輩で女性の方です。
Kさんと出会う前までは聴覚障がいのある方と密に関わったことがなく、
正直不安もありましたが
1年ほど経った今は当たり前のように一緒に働けています。
聴覚障がいの方と働くときのポイント
これから聴覚障がいの方と働くという方や、
ご自身が聴覚障がいで働くことを不安に思っている方の
参考になればうれしいなと思います。
あくまで私がKさんと働いた体験にもとづく
個人的な見解であることは理解いただけると助かります。
聞こえ方を理解する
この記事の初めにも記載したとおり、
聴覚障がいといっても状況や聞こえ方は様々です。
例えば、
「あいうえお」が「ぁぃぅぇぉ」と聞こえる場合は
大きめの声でゆっくり話すと伝わりやすいです。
「大きめな声でゆっくり」が伝わりやすいのは
聴覚障がいの方のほとんどがそうみたいですが・・・
中には、
「あいうえお」が「 いう お」と聞こえる方、
「あいうえお」が「$#うえ%」と聞こえる方もいます。
そういった聞こえ方の方にとっては
声の大きさと伝わりやすさが比例するわけではありません。
私ははじめ、声は大きいほど良いのだと勘違いしていたので、
話すことにかなり体力をつかっていました(笑)
Kさんと会話をする中で
「この声の大きさでいい?」「今の伝わってなかったか!」「この話し方が楽!」
というところをすり合わせられたことでお互いに慣れ、
会話しやすくなりました。
人によって様々な聞こえ方があることが初耳だったのと、
障がいについてどこまで踏み込んで聞いてよいか分からなかったので
本人から教えてもらえたのがありがたかったです。
会議では音声入力を活用する
聴覚障がいの方への一般的なサポート内容として
打合せでの情報保障、
つまり音声を文字にして(ノートテイクといいます)見せるというものがあります。
ただ、すべてを手で打つのは大変なので、
音声入力を活用すると楽です。
私の会社でも使われていて、それなりに精度が高いのが
UDトークというアプリです。
スマホや専用マイクで音声を拾って文字にしてくれますし、
それをほかの人で修正・追記することも可能です。
アプリやサービス内容の詳細は
UDトーク公式サイトでご確認ください。
https://udtalk.jp/
もし会社がgoogleのサービスを利用している場合は、
googleドキュメントの音声入力がおすすめです。
UDトークより精度が高い気がするのと、
ブラウザでも使用できるのでストレスも少ないです。
いつも通りのスピードで話して、↓のクオリティ。
一か所だけ誤変換がありますが、、、
このようなITツールを頼りながら
しっかり情報保障できるとスムーズです。
日頃のコミュニケーションはチャットを活用する
打合せ以外のちょっとしたやりとりや雑談には
チャットを活用しています。
聴覚障がいの方にとっては文字でもやりとりのほうが
スタンダードだったりするようです。
会話するきっかけだけアイコンタクト送って、
用件はチャットで送るなど、対面とチャットを組み合わせると
自然なコミュニケーションになります。
おかげでタイピング速度が速くなり、
顔文字のレパートリーが増えました(笑)
Kさんはチャットでのやりとりが多いからか、
文字での感情表現や細かいニュアンスの伝え方がとても上手で
ビジネススキルという面でもよく参考にさせてもらいました。
大事なポイントを押さえて円滑なコミュニケーションを!
Kさんが自身の障がいのことを話しどんな配慮が必要かしっかり教えてくれたこと、
Kさんから感謝気持ちを日頃から示してくれること、
この2つによって、今の環境が実現できていると感じています。
とても感謝していますし、私も良い経験ができるいます。
聴覚障がいは音声の聞き取り~認識の障がいなので、
それ以外は健常者と同じです。
なので、障壁となるコミュニケーションをどれだけ円滑にとれるかというのが
お互いにとって働きやすい環境をつくる鍵だと思っています。